(2021-02-04 初稿 - )
はじめに
ついに、Raspberry Pi OSの64bit版が正式公開された。早くarn64のChromeでChrome Remote Desktopが動いてくれると良いなぁと考えている。
さて、自宅で余っていたRaspberry Pi 3B+ にDebian 11(Bullseye) arm64版をインストールしてみた。Raspberry Piに64bitをインストールするメリットとデメリットは以下のとおり(正直なところ、あまり思いつかなかった (^^ゞ)。
ただし、今回の作業を通じて、fbtermやlocale、keyboard設定などcliで使うときのスキルがいろいろと学べたので、その記録として残す。
【メリット】
- 通常のDebianとパッケージ更新にタイムラグがなく、細かい操作が同じ
【デメリット】
- 未確認だが、I2CやGPIOの利用が面倒
筆者はRaspberry PiでChromeブラウザを動作させて、Chrome Remote Desktopのサーバにしたかったのだが、残念ながらChromeブラウザのインストールはできなかった(Chromiumブラウザはインストール可)。
ちなみに、Chrome Remote Desktopのことは、以下を参照のこと。
Debian 11(Bullseye)のインストール
インストールは、以下のサイトを参考にした。多謝。
Debianイメージのダウンロード
まずは、Debianのインストールイメージのダウンロード。以下のサイトから、Raspberry Pi 3B+用のBullseyeをダウンロードした。
実際にダウンロードしたイメージは、20220121_raspi_3_bullseye.xz。
xz圧縮のファイルは、以下のとおり解凍してimgファイルにする。
xz -d Downloads/20220121_raspi_3_bullseye.xz ⇒ Downloads/20220121_raspi_3_bullseye.img
Imagerを使ってimgファイルをMicroSDカードに焼き付け
まだImagerをインストールしていない場合は、以下のサイトからダウンロード。ここでは、Ubuntu、Debianの場合のインストールを示す。
sudo apt install imager
Imagerは、使い方が難しいソフトではないので、説明は省略する。
Raspberry Piへカードを挿して起動
MicroSDカードの準備ができたら、いよいよ初回の起動を行う。
起動の際に、ディスプレイ、キーボードと有線LANの接続は必須である。インストール後は手動で無線LANも使えるようになるが、Wi-Fi設定は思いの外面倒である。
起動後、login: プロンプトが出て、ユーザはroot、パスワードはなし(Enterキーのみ)でログインできる。
login: root passwd なし
ログイン後、セキュリティの関係上、まずはrootのパスワードを設定する。
# passwd (root のパスワードの設定)
なお、この時点では、キーボードの設定が jp106ではないので、パスワードに特殊な文字を使わないほうが無難である。
ちなみに、筆者はvimを使っているので、いつも「:」を探してしまう。(^_^;)
Shift+;(セミコロン)なので、覚えておくように > 自分
参考までに、以下のサイトから頂いたキーボード画像を貼っておく。多謝
インストールされているパッケージの更新
# apt update; apt upgrade
一般ユーザの追加とsudoの設定
常にrootで作業するのは、セキュリティ上好ましくないため一般ユーザを作成し、sudoを使えるようにする。ここでは、追加するユーザ名をhogeとする。
# adduser hoge (hogeのpasswd 設定等)
# apt install sudo # visudo # User privilege specification root ALL=(ALL:ALL) ALL hoge ALL=(ALL:ALL) ALL (この行を追加、権限はご自由に)
Hostnameの変更
hostnameが pi3-20220128(インストールするイメージにより異なる)等になっているので、使いやすいhostnameに変更する。ここでは、hostnameをfugaとする。
$ sudo hostnamectl set-hostname fuga $ sudo vi /etc/hosts 127.0.0.1 localhost 127.0.1.1 fuga.example.com fuga
ネットワークの設定
ネットワークの設定は、/etc/network/interfaces.d/eth0 で行う。
cat /etc/network/interfaces.d/eth0 auto eth0 iface eth0 inet dhcp iface eth0 inet6 auto
なお、ネットワークの初期設定はDHCPだが、サーバ用途等で固定IPアドレスにする場合は、上記ファイルを以下のように変更する。
auto eth0 iface eth0-home inet static address 192.168.xxx.xxx netmask 255.255.255.0 gateway 192.168.xxx.1 dns-nameservers 192.168.xxx.xxx 8.8.8.8
なお、 無線LANで接続する場合は、少々手こずったので別ページに対策をアップした。参考までに載せておく。
sshの設定
筆者が試したイメージでは、インストール直後からsshはインストールされていた。
もし、インストールされていない場合は、以下のとおりインストールする。
$ sudo apt install ssh
localesの設定
sudo apt install locales sudo dpkg-reconfigure locales ja_JP.UTF-8を選択
キーボードの設定
sudo apt install keyboad-configurations console-setup sudo vi /etc/default/keyboard XKBMODEL="jp106" XKBLAYOUT="jp"
タイムゾーンの設定
sudo timedatectl set-timezone Asia/Tokyo
fbtermのインストール
localesを日本語環境に変更すると、日本語でメッセージがでるため、Terminalに表示される日本語が文字化けする。この対策として、fbtermをインストールし、ユーザ hogeをVideoグループに追加、さらにIPAの日本語フォントをインストールする。
sudo apt install fbterm sudo usermod -aG video hoge sudo apt isntall fonts-ipafont
再起動後、fbtermを起動してから、コマンドを入力すれば、日本語が正常に表示される。
X環境のインストール
筆者が試した範囲では、少なくともPi 3B+ではX環境をインストールしない方が快適に使えると思う。ただし、どうしてもX環境が必要であったり、Pi 4以降の機種であれば以下のように軽いLXDEをインストールすれば、X環境を整えることができる。
sudo apt install lxde
なお、筆者はいつもディレクトリ名を英語にしているので、以下のコマンドで英語表記にしている。
sudo apt install xdg-user-dirs-gtk LANG=C xdg-user-dirs-gtk-update